一途な彼女 × 不良な彼氏
さーて、帰るとするか…。
ん?何か校門ざわついてねえ?
「君、可愛いね。誰待ってるの〜。」
「あ、あの…えっと……。」
この声……あいつか…。
来んなって、散々言ってあんのに。
ったくしょーがねえな〜。
「ねえ、こらから遊びに行こうよ〜。」
「あの私、人を待ってるんで。」
「誰待ってんの〜?」
「俺だよ。とっと散れ!」
「愁夜。」
俺がそう言うと、抱きついてくる。
他の奴らは、驚いた表情。
ま、とーぜんだろうな。
こんな俺に、“彼女”がいるなんて
普通誰も思わねーからな。
「何しに来たんだよ。」
「愁夜に会いにきたの。」
「来るなって言ってるだろ。」
「いいじゃない、たまには……。」
そう言って顔をしょげさせる。
俺は、こいつのそんな顔に弱い……。