一途な彼女 × 不良な彼氏
それからはずっと、上の空。
早く家に帰って、親父に知らせてえ。
そんな気持ちでいっぱいだ。
ーーー………
「今日のHRは以上。気をつけて帰れよ。」
担任がそういうと同時に、
準備し終えた荷物を持って
ダッシュで教室を出た。
全速力で、家に向かって走る。
「親父、聞いてくれよ。」
帰るなり騒がしいな、俺…。
「お帰り愁夜。聖夜なら、まだ研究所よ。片付けなきゃいけない仕事があるんですって。」
「なんだよ…。は〜、せっかくダッシュで帰って来たのによ。」
「何かいいことがあったの?」
「そうなんだよ、母さん。聞いてくれよ。俺、テスト1番だったんだよ。」
「へー。よかったじゃない。」
「なんだよ、その薄い反応。」