一途な彼女 × 不良な彼氏
「幸!」
校舎内で柚菜と合流し、
あたしを見つけるなり
強く、抱きしめてくる。
「もう。すごく心配したんだから。」
「ごめんね、柚菜。」
泣きながら言うあたし。
震えは、少しだけ治まっていた。
「帰ろう。もう7時30分だよ。」
「嘘ー。やばい、今日お母さんいないんだよ。」
「じゃあ、早く帰らなきゃ。」
「うん。鞄は?」
「教室に置いたまま。」
「とりにいこう?」
「もう、幸は本当怖がりね。」