一途な彼女 × 不良な彼氏
「あのさ、俺の存在忘れてないですか?お2人さん。」
はっ!
今猇くんに言われて、気付いた。
存在忘れてちゃった。
「ご、ごめん。」
猇くんが不機嫌そうに見るので、
聖夜から離れようとしたら、
「幸、猇のことは気にしなくていい。」
と言ってあたしをがっちり、
腕の中に閉じ込める。
「聖夜も変わったな。昔は、こんなんじゃなかったのに。」
「え?」
「猇!何言って……。」
「じゃーな聖夜。」
猇くんは、聖夜から逃げるように
帰って行ってしまった。
「くそ、あの野郎。」
「猇くんって違う意味で恐ろしいね。」
「そーかもな。明日にでも、しめておくか。ちょっとウザかったし。」
ふふ。聖夜ってば、猇くんには
そんなことしたりするんだね。
「幸、明日斉藤たちに会いに行こう。」
「……うん。」
「大丈夫!俺が付いてる。」
「そうだね。」
聖夜も付いてるし、きっと大丈夫……。