放送部からお伝えします
−草太−



部活が終わった後、すぐ自転車で公園へ向かった。


時間を確認すると、8時を回っていた。

5月21日。



花壇の前に座ると、先に誰か来ていたように感じる。


菊の花が、前にはなかった花瓶に挿さっていた。



「梨衣子がやったのか……?」


答えなんて返って来ない。


「答えろって……!」


俺の目は熱くなって、少し視界が揺れる。


こんなに弱かったけ……?


いつの間にか、鼻まですすっていて。



中途半端に香る、菊の匂いと、空虚な世界が俺を包んだ。









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