放送部からお伝えします
◆放送部
部室
そしてあっという間に午後。
「おばちゃーん! メロンパンとおにぎり、サンドイッチといちごミルク3つー」
身を乗り出して、購買のおばちゃんに話しかける。
「あ、皆の分? いつも仲良いねー」
「だって幼なじみだもん! はいお金」
内心ドキッとしたあたしは、満面の笑みで答える。
「まいどー」
「梨衣子ー。行くぞ部活ー」
レジのチーンという音が鳴ったとき、後ろから来る聞き慣れた足音と低めの声に気づいた。
「あ、はーい」
購買の近くのベンチにいたかなめが、あたしを呼んでいた。
振り向き小走りで駆け寄ると、おばちゃんがニッコリ微笑んでいるのがチラッと見えた。
おばちゃんのまるで“仲良くね”とでも言うような温かい視線は可哀相なくらい無駄に思える。
これもまたいつものように笑い返すと、あたし達を眺めている人を横目で見ながら、放送部室へと急いだ。