放送部からお伝えします
「でもね、隠し事は悪い事じゃないよ。相手を気遣かってるなら」



悪くないって言われて、なぜか少し楽になった。


「でも、真実を話して、相手が楽になるならそれでいいと思う」


これは竜也を、アイツらを、気遣かってる事になるのかな……?


パパの一言一言に、心が揺れ動く。



「でもね、」


話が終わったと思ったら、またパパが話し出した。



「それが、相手を傷つけたとしても、自分が傷ついても、最後に決めるのは結局自分なんだよ」



「自分が一生懸命考えて出した答えを、誰に何言われても貫き通しなさい」



「傷ついて傷ついて、最後に残るのは、その結果と、自分を信じた自分だよ」


パパはさっきよりあたしを見つめた。

そして、最後に一言、しっかりと言い放った。



「……自分の思うように動きなさい」




その瞬間、頭の中で何かが剥がれた。








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