放送部からお伝えします
「ちょっと出掛けてくるっ!」


あたしはケータイとテレビの前に置きっぱなしだったカバンを持って、外に出た。

6時半。

まだ大丈夫。


心なしか、体が軽く感じる。

あたしの中で何かが吹っ切れていた。




―警察―



見せるだけ、見せるだけ……。


心の中で、何度もそう念じる。


あたしは警察署の前に立っていた。

あまり大きくないところだから、緊張感も無しに入れそう。


家に帰ったら怒られるかも……。


急に家を飛び出したあたしは、不安を抱えながらケータイをギュッとにぎりしめた。


あたしは結局、あの画像を川岸さんに見せる事にした。


見せても、どうせ何も変わらない。

捜査はもう打ち切りになったんだから。

でも、少しでも役に立ちたい。


今まで思い出すのが怖くて、アイツらもどこか躊躇してた。


でも、それが少しでも軽くなれば……。


少しは、素直に笑えるようになるよね?


臆病なあたしが、出来ると思ったこと。



自分を信じる

真実を話す



それが、今のあたしに出来る全てだと思った。








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