放送部からお伝えします
「これ邪魔じゃない!?」
「俺もそう思った」
何かと思えばそんなことか。
草太とかなめの目の前にあるのは、あたしが置いた昼ごはん達。
うす暗い放送部室には、確かに合わないかも。
ただでさえ灰色の机に事務椅子で、まさに刑事ドラマの取り調べって感じなのに……。
「せめてカツ丼だろ!」
「そこかよ!?」
草太が刑事のようにバンッと机を叩くと、草太と向かい合っていたかなめはさらに前のめりになる。
「学校で出前ができるかよっ!」
そう言いながら、放送機具がある隣の部屋の机にうつった。
ガタン
わざと音をたてて座ると、2人は気づいたかのように立ち上がる。
あたしが椅子に座って原稿用紙を持ったのを確認すると、草太は機具のスイッチを入れた。
かなめはストップウォッチを持って、時間を計り始める。
その顔はすごく真剣で。