放送部からお伝えします
家族が大好きな梨衣子が、家出なんてするわけない。


竜也が居なくなっても、俺らと仲悪くなっても、梨衣子は学校に他の友達が、家には家族がいる。


俺なんかとは違う。



「……夕飯の準備あるから」


そう一言言って、立ち去ろうとした。



「……なんとも思わないの!?」


その言葉に、俺はまた足を止めた。


「幼なじみが誘拐されて、心配にはならないの!?」


川岸が俺の態度にイラついて怒鳴ってくる。

その声に、ついカッとなってしまう。



「……じゃあ、」





「じゃあ、どうしろっていうんだよ!?」


俺は思った以上にデカイ声が出た。


「俺がなんかやって変わるもんなのかよ!? ……結局何やったって邪魔モノ扱いされるだけなんだよ!!」




「それに、お前だって……。そんながんばったって……。ムダになってるだけじゃねぇか!!」




……いつもそうだ。









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