放送部からお伝えします
ビクッ



俺の体がまた強張る。

身構えまでしていた。


「……もしかして猫、苦手なの?」


川岸さんが、不思議そうに俺の痛いところを突いてくる。

強がるのも子供っぽいから、俺は正直に話した。



「……動物全般駄目なんですよ。向こうから噛んだり、吠えたりはしないけど……近くにいると体が反応して」


めっちゃ恥ずかしかったけど、最後まで話せた自分を軽く尊敬した。



「それよりっ! 梨衣子のほうは……」


話がズレているのに気づいて問いかけた。


「あら、ごめんなさい…」


川岸さんは、やっと気づいたような振る舞いを見せて、机に腕をのせた。









< 161 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop