放送部からお伝えします
このまま動かないより、行動したほうがいい。

ちょっとのことで諦めるような決意じゃない。


そんなにモロイ、絆じゃない。




「俺に、協力させて下さい」


「え……?」


「力になりたいんです」


はっきりと言った俺とは反対に、川岸さんの顔が曇る。



「でも私は、話が聞きたかっただけで……。捜査は危険になることも有り得るのよ……?」


「それでもいいんです。


俺も、竜也を救いたい。梨衣子を助けたい」


今まで何もできなかった。

ただ皆に心配かけて、何一つ向き合うことができなくて。



「このまま何もできないなんて……。俺、嫌ですから」


膝の上に乗せた手を握りしめる。



「わかったわ」


川岸さんが鞄を持って、席を立った。



「じゃあ、時間がないから明日にでも探す方法を考えるわよ。ここに集合でいいかしら?」


「はい。あと、かなめも連れてきます」









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