放送部からお伝えします
「……」


何かあったからか、二人とも沈黙している。



「……梨衣子、探すんだろ」


先に口を開いたのはかなめで。


「え……?」


それに反応して川岸さんが顔を上げる。



「よろしくね」


川岸さんの言葉に、かなめは久しぶりに優しく笑っていた。



「じゃ、中に入りましょう。……遅刻の理由は俺が上手く言っておくから」


かなめをちらっと見て言う。


“僕”じゃなく“俺”と言った俺に、少し見えた川岸さんが微笑んだ気がした。




「やっぱ似てんな」


川岸さんに聞こえないように、俺に小声で話したかなめの声は、昔みたいにワクワクに溢れていた。








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