放送部からお伝えします
草太が川岸にも見えるようにと、かなめにケータイを机の上に置かせる。

メールの受信ボックスを見ているようだった。



「最近のはそれらしいの無いな……」


「昔のは?」


「……それって2年前のだろ? 非通知だし、どうせ消されてるよ……」


二人がケータイを離そうとしたとき、川岸が口を開いた。



「……他に何か残せるものは無いの?」


「着信履歴!」


かなめがそう言うと、梨衣子のケータイを持った草太は、首を横に振る。



「ボイスレコーダー!」


「何も無い」


「着メロ!」


「駄目なのばっかり」


「ムービー!」


「……何も無いわね……」


いつの間にか見ていた川岸が答える。



「〜〜、あっ画像は!?」


かなめが言うと、草太は黙って探し始めた。

数が多いのか、時間がかかっている。

かなめはまたダメか、とため息をついた。


草太のケータイをスクロールしている手が止まり、目を見開いた。



「……ビンゴ」


また机に置かれたケータイの画像には、何人かの男が映っていた。









< 179 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop