放送部からお伝えします
キーンコーン
昼休みが終わる合図の予鈴が鳴る。
「あー、ほらチャイム鳴っただろ!」
「じゃ、俺ここでサボってるから♪」
かなめは滅多に見せない笑顔で言った。
ここから教室までかなりの距離がある。
バタバタッ
草太が音をたて、いきなり走り出した。
陸上部なら、今からでも走れば十分間に合うだろう。
でも運動音痴のあたしは、陸上部エースに追いつく訳なくて。
「薄情ものっ」
「それは生まれたときから」
悔しそうに言うあたしを尻目に、かなめは意地悪い笑みを見せながら人事のように言う。
「っメガネのっぽアホーー!」
「……」
さらに大声で叫んでも、走るのに夢中なのかただ無視しているだけなのか、草太からは何も返ってこなかった。