放送部からお伝えします
「……刑事ドラマとかゼッテー嘘だと思ってた」


「俺だって聞き込みとか絶対してないって思ってたよ」


草太が膝に乗せた鞄を取って立ち上がると、かなめはまたケータイを開いた。



「9時半……。どんだけだよ。絶対門閉まってる……!」


「飛び越えればいいだろ……」


自分が遅刻するのが気に入らない草太は、イライラしながら返した。

少しでも早く行きたいらしい。

草太は、走りだろうが高跳びだろうが何でもやってのける。

門が閉まっていようと関係ないんだろう。



「……見習いたいもんですねぇ……」


かなめが絶対思っていないことを呟く。

手提げの鞄を肩にかけると、聞こえていない草太の後をついて行った。









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