放送部からお伝えします
「チョロっ」


下駄箱でそう呟くきながら制服を直す草太を、唖然としてかなめは見た。



「じゃあ、学校外の人は頼むね」


何事もなかったように話す草太。

かなめは“学校外”を頼まれたことで、イラついた。


「……後輩のトコは俺が行く」


「なんで?」


「なんでも」


たしかに、草太に比べればかなめは人気が下だが、後輩には人気がない訳ではない。


「分かった。じゃあかなめが後輩と学校外で、俺が3年と高等部ね」


草太は素直に聞き入れた。


「……あと、ヤマにも一応聞きに行きたいんだけど……」


かなめの言葉に草太は眉を歪ませた。



「かなめ? 先生に聞いたらまた……」


竜也が死んだという噂が流れたのは、職員室で竜也が病院に連れていかれたことを驚いた先生達の会話を、生徒が聞いたことからだ。









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