放送部からお伝えします
嬉しいのが加わっただけで、結局何もわからないまま。

それから、他の教室回っても当たりなしで……。



「ついに、先輩のところまで来てしまったんです」


「うん、事情はよく分かった」


放課後、俺はグラウンドにいた先輩と向き合って話す。

陸上の練習中の先輩はジャージ、梨衣子探しで部活に出るつもりがない俺は学ランだ。


「人探しをしてるわけだな」


「はい」


「草太、お前それより……」


先輩は俺をジッと見る。

俺は気色悪くて目を少し逸らした。


「部活に出ろ! お前がいないと華がない!!」


恐い顔をした先輩を、なんとか押し退ける。


「なんでですか! てか華って、普通女の人に使いません?」


「違うんだよ。お前が時々里美ちゃんと喋ってる姿に、どれだけの人が癒されてると思ってるんだよ……!」


「知りません!」


俺はまた先輩を押し退けて、ケータイを開く。

本格的に先輩に話した。









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