放送部からお伝えします
刑事さん
「アハハハ」
「笑い事じゃないんだけど!」
もう放課後。
ここは放送室。
ずっとサボっていたかなめは、あたしが独り言で言った愚痴を聞いて大笑い。
「そういや、こっちまで怒り声聞こえてきた!」
椅子に座って腹を抱え、相変わらずの大笑い。
「うん、わかった。じゃあ」
ブチッ
ご機嫌だとわかる声の後に、部室の隅でパタンとケータイを折り畳む音がする。
「ここで電話すんな。機具が壊れる」
「そんなボロくないよ、馬鹿」
放課後になってすぐケータイをいじりはじめた草太。
声の雰囲気からして、1年生くらいから付き合ってる彼女が話し相手だろう。
彼女と仲良いのはいいけど……同じ学校なんだから、普通に喋りゃいいじゃん!
かなめの笑い声と、草太と彼女とのいちゃついた電話。
あたしにとっては嫌がらせだ。