放送部からお伝えします
「〜! 〜〜!!」



誰かが怒鳴っている声が聞こえる。

三人は様子が見える位置まで降り、静かにしゃがんだ。


そこには、床に座る梨衣子。

梨衣子の目の前にはタケルを先頭に、数人の男が立っていた。



「〜〜!! 〜〜!」


二人で言い争いをしているようだが、三人の場所からはかろうじで聞き取れない。



「……これって、本格的に警察呼んだほうがよくねぇか?」


「そうね……」


危ない雰囲気に、早口で男達に聞こえないように話す。


その言葉を聞いて、草太がそっとケータイを開いた。


「圏外だ……。あっちで呼んで来ます」


草太がドアの方を指差し、出て行った。


「大丈夫だ。草太の足なら、つながらなくてもすぐだから」


「署まで遠いわ……」


かなめが川岸に安心できるように言ったが、返ってきた言葉に顔を伏せた。



「………」


かなめが黙ると、梨衣子が立ち上がった。

川岸とかなめは姿勢を直す。


まだ梨衣子とタケルとの言い争いが続いているみたいだ。

他の男達も梨衣子に詰め寄ってくる。









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