放送部からお伝えします

そんな声が響くなか――。


「てか、なんであの曲!?」


あたしは今だにわからない疑問を草太にぶつけた。

草太はしつこいとでも言いたそうに、顔をしかめる。


「あー、あれ? 彼女に絶対流すって約束したからっ」

「にやけんな馬鹿」


眉間にシワを寄せながら言ったかなめ。

あたしもかなめと同じでムカついた。

そりゃそうだ。

草太からは幸せオーラが思いっきり出てるんだもん。



そう騒いでいたとき。



バタン……



放送部室のドアが、昼休みとデジャヴのように開いた。

それはとても静かだったんだけど。


風のせいでキーと鳴るドアは、まるで勝手に開いたかのようで少し怖い。


しっかりと人がいるのは感じるのに。





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