放送部からお伝えします
病室にあたしの声だけが響く。

呼んでも返してくれない孤独に何度も涙が落ちる。

あたしはただベットの上で手を握りしめ、悲しさに耐えていた。


慣れたなんて嘘だね。

たとえ菊が返してくれなくて平気でも、いつも反応してくれた竜也に無視されるのは、やっぱり寂しいよ……。


あたし、ワガママなのかな……?

もっと竜也の声聞いておけばよかった。





「りーこ、うるさい……」


幻聴まで聞こえてきてしまった。

あたしはゆっくりと目を開ける。

やっぱり、竜也はぴくりともしない。


やっぱり、竜也とまた話せるのは、夢の中くらいしかないのかな……?



パチ



「……眠気覚まされた」


また聞こえてきたその声。

自然に開けられた優しい瞳。



竜也が目を開けた……。

竜也がしゃべった……。


竜也が生きてる……。



ん?

生きてる?



竜也が?









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