放送部からお伝えします
「学校は別ところに通ってるんだ」


竜也が笑って答える。

まだ竜也がしゃべってるのが信じられなくて……。



「子供達だけにしてやろう」


かなめのパパがそう言ったことで、ママ達は病室から出て行った。



「……身体は大丈夫なのか?」


かなめが恐る恐る聞く。


「うん。ずっと寝たきりだったから、今リハビリしてるんだ」


「いつから目を覚ましたんだ?」


「あの日からちょっと後かな? でも記憶があまりなくって……。今は治ってるけどね」


「学校には戻ってくるの……?」


「冬休み終わったら行ってもいいって」



質問攻めで疲れてるかもしれないけど、会えなかった分、それだけ聞きたいことがあるんだ。



「ただいま。梨衣子……」


そう言いながら、竜也があたしの髪を撫でる。


少し大きくなった手。

でも2年経ってもそのぬくもりは、昔と同じだった。









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