放送部からお伝えします
「あーかなめ泣いてるー」


竜也が小さい子みたいにかなめを指差して笑った。


かなめのほうを見てみると、ほんとに涙を流してる。

自然と笑みがこぼれてくる。


「う、うるせぇ! お前らこっち見んな!」


涙ながらに言うかなめは、小さいころみたいだった。


「相変わらず泣き虫だなー」


「うっせぇ! 今だけだよ……」


かなめはゴシゴシ目をこすってる。


「ありがとね、かなめ。つらかったでしょ?」


「べ、別にこれくらい平気だ!」


かなめが目から腕を離すと、ちょっと目を赤くして笑っていた。




「草太」


竜也がまた視線を移して草太を呼ぶ。

草太は壁にもたれたまま、不思議そうに竜也を見た。


「放送部、ずっと守っててくれたんだってね。ありがとう」


「結局、廃部になっちまったけどな」


草太は首を傾げて少し笑いながら、意地悪そうに言う。


ちょっと悲しいけど……。









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