放送部からお伝えします
「竜也、できたよ!!」



かなめが学校に向かってにいる頃、梨衣子は川岸が買ったケータイを触っていた。

竜也は梨衣子に呼ばれて、ケータイを受け取った。


ここは放送部室。

竜也がいるのは久しぶりだ。



「どれどれ……」


竜也がケータイの画面をジッと見つめる。


「これじゃ甘いよ! もっと脅迫っぽくしなきゃ……」


「それはマズイでしょ!」


梨衣子と竜也が言い合っていると、ドアが開いた。


「アドレス手に入れたぞー!」


急に現れたかなめがひらひらと紙を見せる。


「よし!」


「ちょっと待ってね……」


梨衣子がまたケータイを触り始める。

梨衣子と竜也が一緒に放送部室にいるのを見ると、かなめは口元をゆるませた。



「できた!」


竜也とかなめが覗き込む。


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DEAR:****@****.jp
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写真をばらまかれた
くなかったら7時に
蘭生学院中等部に来
て下さい。

差出人 Mr.X
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「超ーけんきょ」


「てかまず、差出人をツッコもうよ」


竜也はメールに、かなめは竜也に呆れた。


「来るのかなぁ? ホントに」


「追い詰められてる人間って、思った以上に単純なんだよ」


「うん、怖いね」



放送部室は賑やかだった。








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