放送部からお伝えします
「そろそろ草太だね…」


梨衣子がそう呟くと、竜也はチャンネルを変えた。

パッと廊下が映る。


草太が、写真を全部取り終えたタケルの前に出た。


「お疲れのとこ悪いけど、まだコレあるから〜」


草太はもう一つのボイスレコーダーを出し、ボタンを押す。

タケルに見えるように高く上げた。

タケルは流れている声を聞いて、また青ざめた。


「お前っ!!」


タケルが草太に向かって走ってくる。

草太は迷わず近くの階段を駆け上がった。



「そろそろ行こっか」


竜也が梨衣子に呼び掛けると、二人は部室を出た。


タケルは想像以上に足が速く、草太とあまり差がなかった。


草太は大会のときのように全力で走った。


「俺も行くか……」


かなめはそう呟くと、梨衣子と竜也が向かった先に走っていった。









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