放送部からお伝えします
草太は追い付かれないように、階段を数段飛ばしで駆け上がる。


だがタケルがすぐ後ろに迫っていく。


「待て!!!」


タケルが草太を掴もうとしたとき、外に出た。



満天の星が光る夜空。

屋上にいた。


「あいつは……!?」


タケルは左右を見回すが、どこにも草太の姿はない。


「消えた……?」



ガチャン!!!



タケルの後ろにあったドアが急に閉まる。


「お、おい!!!」


タケルが必死でドアを叩くが、開きそうにない。

タケルは改めて周りを見回した。



コツコツ....
シュー....



靴音と同時に、車輪が回る音がする。

タケルは前から来る、うっすら見える影に気づいた。


車イスに乗った竜也を、梨衣子が冷たい顔で押している。


「お、お前っ……」


タケルは腰を抜かした。


「死んだはずじゃ……」








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