放送部からお伝えします
恐る恐る呟くタケルに、竜也は静かに言った。



「そっか……。僕死んでるんだ。じゃあなんでここにいるのかな?」


梨衣子車イスを進ませるたび、タケルは後ずさりする。

竜也が微笑むと、タケルは泣きそうな顔になった。


「幽霊……? 生きてる……?」


「竜也をこんなめにあわせたのは、あんたでしょ?」


梨衣子がわざと死んだことを意味する言葉を話す。


「……人殺しのくせに」


本当は違うが、梨衣子がそう言うことで、幽霊というタケルの考えは深まった。

暗闇のため、二人の顔は数倍恐ろしく見える。


竜也は車イスを降りて、タケルに近づいた。

後ろが閉まったドアのため、タケルはもう逃げれない。


「矢部さん」


竜也はタケルの前にしゃがむ。


「僕はもう、怒ってはいませんよ……?」


竜也が優しく言う。









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