放送部からお伝えします
「へ……?」


「竜也!?」


梨衣子とタケルは驚いた。

タケルは笑顔になり始めている。

梨衣子は対称的に、顔を強張らせた。


竜也がいなかった月日は長い。

その分、いろんな人が苦しんだ。

竜也も中学校生活のほとんどが奪われた。

その期間は、簡単に埋められるものじゃない。

梨衣子が怒鳴るのも当然だった。


「じゃあっ」

「でも、」


タケルは一気に笑顔になった。

だが、タケルの言葉を遮った竜也の声は思い切り低かった。



「一生許すつもりはないから」



竜也がそう言うと、タケルから笑顔が消えた。

その瞬間、タケルの後ろのドアが開いた。


「いっ」


タケルが痛がると、スーツの女が組み敷く。


「川岸さん……」


「矢部たける。殺人未遂で逮捕」


カシャンと、川岸が手錠をかけた。



「本物初めて見た……」


上に隠れていた草太が、トンッと飛び降りる。


「パトカーとか来たぞー」


ずっとドアを閉めていたかなめが、後ろから覗いてきた。









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