放送部からお伝えします
「いってきなよ……」


梨衣子が優しく言う。

草太はそれを聞いて、ちょうど川岸が通り掛かったときに竜也の背中を押した。


竜也は後ろを振り返り、笑いかける3人に涙目になる。



「あ、あの!」


竜也は川岸と向き合った。


「何?」


川岸が不思議そうに尋ねる。

3人は後ろでお祈りして見守っている。


「えっと……。パトカーとか出して大丈夫なの……?」


「竜っ、お前……」


「静かに!」


割り込もうとしたかなめを二人が押さえた。


「許可は取ったわ。反対が多かったけどね」


なんとか普通の会話ができてるみたいだ。


「じゃなくて……あの!」


竜也が声を大にして、また川岸を呼ぶ。


「……あの、小さかったか、よく覚えてないけど……


短かったけど……そ、育ててくれてありがとね!


えっと……大変だと思うけど頑張ってね! か、母さん……」


竜也が言い終わると、黙って聞いていた川岸が口を開いた。


「……竜也も、無理しすぎないようにね」


そう笑って言い残し、パトカーの中に入った。









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