放送部からお伝えします
『……ピー。

放送部からお伝えします!』



8時になった途端、スピーカーから女子の声が。

雑音は一切流れず、ただ少し高めの声が心地良く響いてくる。


「やっぱ朝はこれだよねー」

「私なんか、毎朝このためだけに早く来てるんだもん」

「実物早く来ないかなぁ」

「こっからT字路見えるから良いよな」

「沢子、今のうちに解説しといて!」


スピーカーから聞こえてくる声に反応して、教室にいる生徒が沸き上がる。

それは男子も女子も変わらず同じことだ。


「……うん」


幽霊みたいにヒョロッと立っている、メガネの女子が沢子だ。






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