放送部からお伝えします
「梨衣子ちゃんのことを考えると、夜も眠れないんだ……」
先輩がいつもやっている、ウザいジェスチャーをしながら言う。
「近寄りがたいなぁーとか」
「けっこう友達多いですよ?」
俺は大会の記録をパラパラ見ながら答える。
「シャンプー何使ってるのかなぁとか」
「家族兼用のじゃないですか?」
「なんて整った顔なんだ……とか」
「父親、元モデルだし」
「いい香りしそうだな……とか!?」
「香水あんまり好きじゃないし」
「ケータイの待ち受け何かな? とか!」
先輩がだんだんムキになってきているのが分かる。
「三輪でしょ」
自分でもなんでここまで知ってるんだって思う。
「服かわいい系かな? とか!!」
「正反対」
「しっ、下着とか!!!」
「ただの無地」
先輩の言葉に、当たり前のように返す俺。
先輩は口を開けたままフリーズしている。
「下着……、見たことあんの!!??」
「毎日のように」
てかあんな奴、サルと同じだし。
見ようが見まいが、どうでもいい相手。
顧問が来たから、少し歩いて先輩から離れていく。
後ろに振り返ると、鼻を押さえて保健室へ向かう先輩が見えた。
俺が頭に ? を浮かべているのをよそに、先輩の言葉を聞いた陸上男子部員が、あらぬ誤解(妄想)をしているのに、俺は気づかなかった……。
先輩がいつもやっている、ウザいジェスチャーをしながら言う。
「近寄りがたいなぁーとか」
「けっこう友達多いですよ?」
俺は大会の記録をパラパラ見ながら答える。
「シャンプー何使ってるのかなぁとか」
「家族兼用のじゃないですか?」
「なんて整った顔なんだ……とか」
「父親、元モデルだし」
「いい香りしそうだな……とか!?」
「香水あんまり好きじゃないし」
「ケータイの待ち受け何かな? とか!」
先輩がだんだんムキになってきているのが分かる。
「三輪でしょ」
自分でもなんでここまで知ってるんだって思う。
「服かわいい系かな? とか!!」
「正反対」
「しっ、下着とか!!!」
「ただの無地」
先輩の言葉に、当たり前のように返す俺。
先輩は口を開けたままフリーズしている。
「下着……、見たことあんの!!??」
「毎日のように」
てかあんな奴、サルと同じだし。
見ようが見まいが、どうでもいい相手。
顧問が来たから、少し歩いて先輩から離れていく。
後ろに振り返ると、鼻を押さえて保健室へ向かう先輩が見えた。
俺が頭に ? を浮かべているのをよそに、先輩の言葉を聞いた陸上男子部員が、あらぬ誤解(妄想)をしているのに、俺は気づかなかった……。