放送部からお伝えします
「あっ、草太くん! これ……。大会近いから、それまで怪我しないようにって……」


照れているのか、俺の近くに来た彼女は下を向いたまま話す。


「さっきのお店で買ったの。じゃあね!」


彼女は何かを俺の右手に握らせてから、家に入っていった。

俺はそのまま彼女の家の前で、自転車のサドルに座りながら、右手の中を確認した。



手の中には、黒い布地のお守り。

真ん中には白猫が一匹。


俺は思わず微笑んだ。

でも、お守りを持ってる右手は、微かに震えている。



プレゼント…は嬉しいけど……。


実は色違いのを持ってる。


白い布地に黒い猫。


昔もらった、梨衣子からの誕生日プレゼント。

今もカバンの中に隠してある。

4人、色違いで持ってる。


同じ白い布地に、梨衣子がピンク、俺が黒、かなめが青で、竜也が緑の猫のを。







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