放送部からお伝えします
俺は数秒お守りを見つめた後、カバンの中にしまって、自転車から下りた。




見上げると星空が広がっている。



新月なのか、月が見当たらなくて淋しくなる。


いつもはあまり気づかないけど、月って意外と光ってたんだな。


――見えなくなってみて、初めて気づいた。



前を見ると、俺の家とは正反対の方向を見ていた事に気付いた。

ここから家まで結構距離がある。


たぶん家に着いたときには、軽く9時は回っているだろう。



……もういいや。

どんなに遅くなっても歩いて帰ろう。

今自転車に乗ったら、事故って怪我しそうだ。



このお守りが守ってくれるかな?


思い出しただけで、涙が視界を埋める、



弱い俺を。






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