放送部からお伝えします
ばっさりと言われた言葉。


……留年だけはしたくない。

年下と学年一緒とかまじカンベン。



血の気が引いてるのと、ヤマが薄笑ってるのがわかった。



「はぁ……。どうせ俺は梨衣子みたいに頭良くねーし、草太みたいにスポーツで有名になったりもしてねぇよ……」


いつも以上にひねくれた、後ろ向きな言葉。


昔からよく言われたことだ。



梨衣子には勉強。

草太も勉強、それとスポーツ。


俺のユイイツの取りえは顔。


でもこれは俺だけじゃなくて、梨衣子も草太も、そして竜也も持っていた。



「石田、顔だけとか言われてるんだって? そういや“カネドウ”もそう言われてたっけ」



……カネドウとは、竜也の名字。

今はもう懐かしい。


空気読めよ……。


そう思ったのが伝わったのか、ヤマは1歩下がった。


「まぁ、そのうち見つかるよっ。気にすんなっ!」


ホントに伝わったのか不安になりながら、とりあえず席に着いた。



「そういえば石田、読書感想文ちゃんと考えてるか?」


やっと基ソのところが終わったあと、振り返ってヤマが聞いてきた。







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