放送部からお伝えします
キーンコーン
やがてチャイムの音が鳴り始める。
それは生徒にとっての嬉しい合図。
「あ、そろそろ来るんじゃない?」
「以上、“全”放送部員でした」
言い終わると同時に、パタンと本を閉じる沢子。
部員は少ないけど、それだけ放送部は生徒から人気があるんだ。
『はい、放送部からお伝えしました!
ピー……』
「あ、終わった」
放送が終了すると、口々に言い始める。
ザワザワとまた騒ぎ出されるが、それと正反対のような静かな場所で、ちんまりとその声が吐き出された。
放送部室にいるはずのあたしは、廊下のベンチでヤキソバぱんを頬張っていた。
あの放送は録音。
朝くらいゆっくりしたいんだもん。
「あ――」
時計の長い針が4になったのを確認すると、あたしは教室へ歩きだした。