放送部からお伝えします
「っ、うっ」


どんなに声をガマンしても、出てきてしまう。



「ニャーーン」


またねこが鳴く。

俺は泣いてる。

ずっとこっちを見てる、視線を感じる。


いーや。

どうせねこは気づかないうちに急にどっか消えるんだ。




「ミーーン」
「ジリリリ」


セミも鳴きだす。

俺はまだ泣いてる。


うるさくて、やっぱり夏だなって思い知らされる。


いーや。

精一杯鳴いていろ。

どーせセミはすぐ死んじまう。




……竜也みてぇに。



竜也はまだ、中1だったんだぞ?

すごくがんばって、生きてたんだぞ?


でも、すぐ死んじまって、急に消えちまった……。







< 75 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop