パラレルワールドラブストーリー

タイトル未編集

2:22

2012年10月1日、2:22

俺はいつも通り、仕事を終え、タイムカードを切った。

「カシャリ」

静かな音を立てて、飛び出したタイムカードを素早く引き抜き、自分の名前が書かれた置き場所にストンと落とした。

心の中でフッとため息を付いてから、体の向きを変え、出口へと向かった。

今日は何故か仕事にやる気も起きず、一刻も早くこの場所から立ち去りたかった。

下に降りるエレベーターの前には、普段あまり会話を交わした事のない上司が先にエレベーターが来るのを待っていた。

普段であれば、一緒にエレベーターに乗るのを避けるために、すぐ隣にある喫煙所に逃げ込み、一服をし、上司が完全にエレベーターで下に降りるのを待ってから一人でエレベーターに乗り込むのだが、その時は早く帰りたいという気持ちが強く、そのまま上司と一緒にエレベーターで下まで降りる事にした。

上司と目が合い、簡単にお疲れ様ですと挨拶を交わし、エレベーターが一階に着くまで沈黙を保った。