５億で買われた女。

｢逃げないで聞いてくれる？｣

｢はい｣

初めて真剣な神代さんを見て
そうとしか言えなかった。


わたしたちはソワァーに
向かい合わせに座った。

｢俺はお前の事何も知らないで
５億で買ったんじゃない。
結婚相手を知らないやつに
するわけないし俺だって好きでも
ない相手と結婚なんかやだし｣

｢じゃあ何で？｣

｢俺がお前の事好きだから｣

｢え？会ったこともないのに？｣

｢んーそれが何回もあるんだな｣

｢え？｣

｢お前が通ってた学校を設立
したのが神代財閥。だから
俺なんかいも学校行ったし
まあなんかいも見てくなかで
お前に惚れたの｣

｢あ!はい｣

｢だからこうゆう事になった
けどお前が嫌なら出てもいい
お前のお父様の会社は責任持つし
でも嫌じゃないなら俺を好きになる
努力をしてほしいんだ｣

｢わたしは神代さんと居ます｣


好きかすら何もわからなかった
のに勝手に口からその言葉が
出た。話している神代さんを
見てこの人はわたしを幸せに
してくれる。わたしはこの人を
好きになる。そう思った。



神代さんは嬉しそうに笑った。