5億で買われた女。





それから帰ってくる様子はなく

時刻は夜中2時。

わたしの不安は募るばかり。


バンッ

扉が開いたかと思えば
息を切らした海里が立っていた。


「かっいり…」

ホッとしてまた涙が…

「姫にプレゼント」

そう言って渡されたのは
小さな箱。

「何これ?」

「開けてみて」

わたしは丁寧にゆっくり開くと
シルバーリングがあった。

これをわざわざ?

「俺たちの想いが通じ合った記念」

「馬鹿…ありがとう!」


わたしは海里に抱きつくと

海里も抱き締め返した。


『愛してる』


その言葉と共に。



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