お腹が空きました。


そんな紗耶を見ていたずらっぽくクスリと笑い、杉崎はおでこに軽くチュッとキスをする。


「んじゃまぁ、寝るか。」

くるりと向きを変えられ首とお腹に回された長い腕が柔らかく抱きしめる。

首のすぐ後ろであっという間に寝息を立て始めた杉崎に、やっぱりちょっとドギマギしながらも、紗耶もいつの間にか眠りについた。










くんくん


くんくんくん



これは……



「パンケーキーーっ!」



カバッと布団から飛び起きた紗耶は、周りを見渡して一瞬呆然とした。

どこ、こ…


「…あーー。そうだった、、」


杉崎さんちだ、ここ。

シンプルなベッドに少し大きめの本棚。

白い小さな机の上の書類。

昨日は薄暗くて良く見えていなかったけど、カーテンから漏れる朝の光で眩しいぐらい分かる。

紗耶は目を擦りながらゆっくりベッドから足を出した。

信じられない。

爆睡していた。

緊張のキの字も無い自分に若干ため息をつきながら紗耶はそうっとリビングに顔を出す。


良い匂いが帯を引くキッチンに杉崎の背中を発見し、ドキドキしながら恐る恐る声をかけた。





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