お腹が空きました。
小さなミントが可愛く添えられたバターをパンケーキに少し塗る。
フワリとナイフで切り分けてフォークで刺し、口に運んだ紗耶の顔からはポロポロと微笑みがこぼれた。
白いお皿が差し込む朝日に輝き、その奥で杉崎はチラリと紗耶の様子を伺う。
目だけで「どうだ?」と聞いてきた杉崎に、紗耶はほっぺたを押さえながら笑顔で何回も頷いた。
「甘さ控えめでふわふわで軽くて朝ご飯にピッタリです。美味しーっっ」
ベーコンエッグをパクパク口に運び、サラダをモシャモシャ食べ、ついでにヨーグルトとグレープフルーツのあっさり朝食デザートまで出していただき、紗耶は深々と杉崎にお礼を言った。
「杉崎さんって天才ですか?」
バーカ、と言いながら杉崎は紗耶の隣を通り過ぎるついでに雑誌でパサっと軽く頭を叩く。