お腹が空きました。
「んーっ‼美味しーい‼外国の味ーっ‼」
紗耶が目をキラキラさせ、口をむぐむぐ動かしていると、杉崎はノンアルコールビールを傾けニヤリと笑った。
「コツは米が水吸いすぎないようにオリーブオイルをまぶす事だ。」
牛野も優雅に肉を切り分けて食べる。
「ん。やっぱ杉崎のはうまいなぁ。…あ、そういえばさ、二人っていつから付き合ってんのー?」
え、と紗耶は箸を止める。
付き合ってる。
付き合ってる?
特に明白な言葉はなく、今この場にいるのだけれど、紗耶は一体なんて答えていいか分らず、頬の筋肉を固めた。
「昨日からだよ。」
杉崎が、はむっと生ハムを口に入れながら事も投げに答える。
紗耶は目を丸くしてゆっくりと隣に座る杉崎を見上げた。
「えーっ、マジかぁ。じゃあ俺マジでお邪魔虫じゃん。」
牛野はパクパクパエリアを口に入れながら驚く。
「そーだよ馬鹿。」
杉崎は軽くムスッとしながら冗談ぽく言って笑った。