お腹が空きました。
落ちている石ころがチョコレートに見えてきてます。
…覚悟って、
覚悟って…やっぱりそういう意味かな、そういう意味だよね。いや、それとも杉崎さんという人物と付き合う覚悟ってこと?なんかあるの?掃除に厳しいとか?味にうるさいとか?やー、料理なら確実に負けてるし。完敗だし。
部屋に戻るなり紗耶はベッドに突っ伏しグリグリ枕に顔を押し付ける。
頭の中はさっきから渦を起こして嵐が来ているようだった。
…それとも、テンパってたのが分かって、一息つかせてくれたのかな。
待ってくれたのかな。
待ってくれたんだよね、、
「優しーなー、こんちくしょーー…。」
紗耶は頬を染めながらはぁ、とため息をつく。
杉崎の温かい手のひらを思い出し、キュウッと胸が苦しくなった。
pppppp…
「ん?」
突然部屋に鳴り響いた携帯を広い、紗耶は画面を寝たまま確認する。
「(…誰?)」
080…
携帯からのようだが、登録されていない番号からだった。
あ、切れた。
紗耶は画面の切り替わった携帯を怪訝な顔をして見つめる。
「…んー、まぁいっか。」
紗耶は特に気にする事もなく、ゴロンとベッドに転がり直したのだった。