お腹が空きました。
「お腹空いた…。」
紗耶(さや)はお腹に手を当てたままデスクに突っ伏した。
ひもじい。
こんな飽食の時代に何故にこんな思いをしなくてはならない。
「ぐうううう…」
ツライ。
今すぐコンビニに走って板チョコクロワッサンを買ってしまいたい。
あの甘くて美味しい心まで満たされる感覚を思い出して紗耶はだらしなく口元を緩める。
「(は!いかんいかん!)」
紗耶はばっとデスクから体を起こし、パソコンに目を向けた。
ダメだダメだ。
初日からこんなんじゃダメだ。