お腹が空きました。
「なんで黙ってたんですか!こんなお店に出せるような美味しいケーキが焼けるなんて!」
「なんで会社でそんなどうでもいいこと公表しなけりゃならねぇんだよ。…それに、キャラじゃねぇしな…。」
「まぁ、キャラではないですねぇ…、」
「お前、締めるぞ。」
「す、すいません!」
ヒィィっと自分の体を抱きしめながら、紗耶は帰り支度を始めた。
うん、ちょっと元気でた。
やっぱり美味しいものを食べると力出る。
何故か少し機嫌が良い杉崎から帰宅許可も頂いたし、紗耶は「よしっ」とパソコンの電源を切り、カバンを肩にかけ直した。
そしてクルリと美味しいものをくれた狼さんに向き直る。
「杉崎さん、どうもありがとうございました。ご馳走さまでした。」