お腹が空きました。


意外そうに杉崎がキョトンと目を開く。


あれだけ絶賛した紗耶がまさか断るなんて思わなかったようだ。

「なんだ、なんかあんのか?」


「やーー…実はダイエット中でして…。」


ハハハと頭を掻く紗耶に、杉崎は合点がいったとばかりに馬鹿を一睨みした。


「今日1日上の空だったのはそのせいかよ。やめちまえそんなもん。」


吐き捨てるように腰に手をやる杉崎に、紗耶は唇を尖らせてぶつくさ呟いた。

「えーー…。じゃあ杉崎さんはぽっちゃり女子でも大丈夫なんですか?」


「デブは嫌いだ。」


「な…っ!理不尽!理不尽ですそれ!」


騒ぐ紗耶に杉崎は鬱陶しそうにもっともなセリフを吐く。

「その達成出来るかもわかんねぇ個人的な問題で、会社に迷惑かけてんじゃねぇぞ。他でやれ他で。」



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