お腹が空きました。
「…っ、もう連絡、来てませっんよ、…っ」
キスの合間に器用に喋る杉崎に、紗耶はやっとの思いで返事をする。
「…そうか。」
一瞬不安そうに眉を寄せた杉崎の事がなんだか妙に愛しくなり、紗耶はクルリと身体を回転させ、杉崎の端整な顔を両手で包み込みながら優しく微笑んだ。
「…大丈夫ですよ。なんにも心配しないでください。」
真っ直ぐに綺麗な狼さんを見つめ、紗耶は安心させるようにニッコリと笑う。
「特に用もないので二人で会うこともないでしょうし。この通り、私は杉崎さんが大好きですし。」
杉崎は紗耶にまたがり、ソファに両腕を着いた態勢のまま、照れ隠しのように眉をひそめる。
「…お前時々恥ずかしげもなくそういう事言うよな。」
「え、杉崎さんが大好きって所ですか?」
「…っ、」
「大好きですよ。」
そう言って、紗耶は自分から杉崎に唇を寄せた。