お腹が空きました。
「杉崎係長とか中間さんとか、ちゃんと新人を育てるって意味で回してくるんなら分かるんですけどね。
辻さんは、なんかそんなんじゃないんですよ!
なんか、すんごいちっちゃいんです!
選んで簡単な処理ばっかりして、自分は失敗少ないしーみたいなこと自慢してくるし、仕事押し付けてくるし、上下関係には厳しいわりに私が本当に困ってる時、助けてくれないで上手い事逃げるし!」
マシンガントークを繰り出し、顔を地面スレスレに持って来て怒りを爆発させる由美の頭を 紗耶はよしよしと撫でる。
「私はそうでもないんですけど、由美ちゃんが標的にされるのが多いんですよねー。」
「へー、なんで?」
「さぁ…。あー、でも、私分からないとすぐ別の先輩に聞いちゃうんですよ。で、辻さんから回って来たっていうのが他の先輩にバレちゃってその先輩から辻さんがドヤされてしまうというか。でも由美ちゃん結構なんでも一人で出来てしまうので、仕事はするし人には言わないし、…なんていうか」
「そいつにとって都合いい感じ?」
そんな感じです、と紗耶はぴんと人差し指を立て頷いた。
あーー、でも…、
なんとなくそれだけじゃない気が…。