お腹が空きました。

「杉崎に言えばいいよ。」

「それは嫌です。あ、すいません、これおかわりで。」

きっぱり言い放った由美は通りがかった店員にジョッキのおかわりを頼む。

「なんか、…すんごい負けた感じがするじゃないですか。あの辻さんなんかに…っ!それに係長にチクって逆に怒られたりしたくないし。」

「そんな事で杉崎さん怒らないと思うよー。」

やんわりと杉崎をかばう紗耶に、由美が訝しげな顔をした。

「わかんないじゃん!
それに、稀な処理を新人に体験させるのは多かれ少なかれあるわけだし、辻さんが直接何かしたってわけじゃないし。
私も分かってんのよ?
そういうのやってたらスキルアップにもなるし悪いばっかりじゃないっていうのは。
でもあの「ラッキー♪」みたいなニヤニヤ顔みるとやっぱりムカつく‼

…って、…あー、、牛野さん、こんな話ばっかりですみません。…はぁ。」


急にシュンとしたように由美が机に頬を重ねる。

紗耶も今更ながらこのメンバーで飲みに来てるのを不思議に感じた。

「え、いいよ。飲みに誘ったの俺だし。」

爽やかに笑いながら牛野は串にかぶり付く。


「それに他の部署の話って面白い。入って来そうで入って来ないんだよねそういう話。」

由美は新しいジョッキに口を付けながら軽く目を丸くした。


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